月曜日, 8月 28, 2006

避妊というのは中絶とセット

 避妊にはほぼ全面的に反対だ。特に薬を使った避妊には文句なしに反対だ。ところが、世の中には中絶には反対だが避妊には賛成という人がたくさんいるから驚く。というのも、避妊というのは必ず中絶と背中合わせだからだ。これは言葉遊びなどではなく、論理的に考えれば当然導き出される結論だ。

 なぜ避妊と中絶は背中合わせなのか。例えば二十代半ばの、まだ結婚や出産をする気が全くない女性が同じく結婚への心構えと金銭的準備が全く出来ていないボーイフレンドとセックスをした場合を想定してみよう。いや、十代後半でもいい。この人たちは恐らくコンドーム等を使って避妊をしながらセックスをするに違いない(膣外射精もありうるが、それも妊娠を防ごうとする行為なので、動機からすれば立派な避妊だ)。

 ここでよく考えてみよう。この二人はなぜ結婚も出産もする気がないのにセックスをしたのか? 彼らの現在の価値観や心構えからすれば、いまこころ妊娠してしまうことは人生を狂わせる「悲劇」以外のなにものでもないはずだ。それなのにセックスに及んだのはなぜか。

 それは心のどこかで「万が一避妊に失敗しても中絶すればいい」と思っていたからではないだろうか。最後の手段として中絶があるからいいや、と内心思っていたからセックスし射精したのではないだろうか。あるカトリック系のウェブサイト(http://japan-lifeissues.net/writers/smith/smith_02contrabort-ja.html)にはこんなことが書かれている。
 「私たちは避妊に頼った生活様式を続けるために中絶が必要なのです」
 サイトはこうも言っている。多くの女性は最終的に中絶に至る可能性がある性的な関係を「親密」なものと思い込んでいるが、中絶という赤ん坊を処刑する手段に訴えなければいけない親密さとは、そもそも愛情とは無関係のものではないか、と。

 本当の避妊というのは結局性交を控える以外にない。

日曜日, 8月 27, 2006

モーニングアフターピルで崩壊する社会

 避妊せずに膣内射精をしても90%近い確率で妊娠を防げる経口避妊薬、「モーニング・アフター・ピル」が米国で処方箋なしで買えるようになる。ブッシュ大統領が「18歳以上」という条件付きで承認し、普通のドラッグストアで自由に手にはいるようになる。

 モーニングアフターピルはPlan Bと呼ばれる経口避妊薬。
膣内射精後72時間以内に服用すればほぼ間違いなく避妊できるという、まさにリベラルな人びとやティーンエイジャーにとっては夢の薬だ。成分は普通の経口避妊薬(ピル)に使われている女性ホルモン、プロゲステロンであり、含有量を大幅に増やすことで受精そのものを防いだり、受精卵の着床を阻んで避妊する仕組み。

 日本ではまだほとんど知られていないことだが、

・性病を防がない
・出生率の激減

レイプで妊娠すると犯人を殺さずに胎児を「処刑」する矛盾

 いつも愛読しているカナダのPro-Life系のサイトLifeSite Newsに面白いオピニオン記事が載っていた。粗っぽく翻訳すると以下の通り。

 カナダやその他の「リベラルな国々」では極刑、つまり死刑を人間の生命を踏みにじる行為として廃止しており、それは良識のある多くの市民にも支持されている。これはそれ自体、非常に素晴らしいことだ。筆者も死刑には反対で、危険な犯罪者が社会に害をもたらさないように隔離しておけばいいことだと思う。

 しかし、これら死刑を廃止した、リベラルを自認する国の多くで「中絶」が広く受け入れられているのはどうしなのだろうか。さらに、中絶がそうしたリベラルな社会で合法化される口実として挙げられるのが、レイプによる妊娠などの極端なケースだ。

 だが、文明化された社会では法というものは「罪なき人びと」ではなく「犯罪者」を罰するためにあるのではなかったのか? もしそうならば、我々はなぜ「罪あるレイプ犯」ではなくその「罪なき子」を極刑に処するのか?

 我々は通常、犯罪者の子を罰したりはしない。ならばなぜレイプ犯の子を処刑するのか?

 二つ目。中絶はそれを受ける女性を傷つける。子供を産むことは女性の身体にはごく自然なことだが、中絶は違う。中絶は心理的にも感情的に精神的にも肉体的にも悲惨な結果をもたらす。

 我々はレイプの被害者の子を殺害することでさらに彼女を傷つけているだけなのではないか。

 そのような形で(つまりレイプを通じて)授かった胎児を最後まで身籠もることは、実は多くの女性にとって(彼女が受けた悲惨な体験=レイプ)を乗り越える助けになる。多くのレイプ被害者とそれによって生まれた子ども達自身がそれを証明している。